国際結婚をして、ふたつの言語が家庭にあれば、勝手にバイリンガルに育つと思っていた8年前。
簡単にバイリンガルに育つわけではないと気づいてからは、色々な情報を調べたり、人に聞いたりしながら、試行錯誤してきました。
そうして8年が経ちましたが、現状はまずまず上手くいっているんじゃないかな、と思っています。まだ小学2年生なので、今後どこまで、ふたつの言語を伸ばすことができるかは未知数ですが、これまでを振り返ってみようと思います。
わが家の基本言語
生後2ヶ月でオーストラリアに引っ越し、8歳の直前までオーストラリアで育った長女ひめ。夫(オーストラリア人)は日本語がビジネスレベルで、かなり難しい内容も日本語で会話することができます。
一歩外に出ると英語環境なので、家庭内では、夫婦ともに日本語を話すことにしました。
0〜3歳の言語
家庭内会話は日本語、テレビや映画などの動画は英語で、在宅保育をしていました。
家庭外で日本語に触れるのは、週1で通っていた日本語プレイグループのみです。
子どもの発語は日本語が中心で、英語の発語は、日本語に比べると極端に少なかったので、若干心配していました。
3歳頃にひめから、「英語わからなくて、悲しい」と言われたのをよく覚えています。
ただ、夫の家族に預けたりした際は、義母から「会話は理解してるよ」と言われていました。おそらく発語は少ないけど、まあまあ理解できていたのだと思います。
毎日、日本語と英語の本をたくさん読みました。日本語の本は手に入りづらかったので、インプットは英語の方が多かったと思います。
幼稚園時代(3〜5歳)
3歳後半から幼稚園に通い始めました。コロナ禍だったこともあり、本格的に通い始めたのは、4歳近くになっていました。
もともと人見知りが激しく、引っ込み思案な性格だったので、最初の頃はあまり発語がなかったようですが、先生からは「理解はしてるから、心配ないよ〜」と言われていました。
早生まれだったのもあり、4歳で小学校に入学予定でしたが、1年遅らせて5歳で入学することにしました。※オーストラリアでは子どもに合わせて入学時期を遅らせることが可能。
小学校時代(5歳〜7歳)
1年遅らせたのが功を奏し、入学の頃には自分に自信もつき、学校生活も楽しく送ることができるようになっていました。
学校の授業を理解しているか心配していましたが、担任の先生は個人面談の時まで、英語のモノリンガルだと思っていたくらい、英語が上達していて、むしろ学年より進んでいると言われました。手探りのバイリンガル育児だったので、とてもほっとしました。
この頃、家庭内では、妹と英語で話すことが増えていました。特に、ごっこ遊びをするときは、英語ばかり使っていました。私や夫と話す時は日本語です。
面白いことに、日本に一時帰国し(6歳の頃)、私の実家に滞在している間は、英語を一言も使わず、姉妹間の言語も日本語でした。オーストラリアに戻ったら、一瞬にして英語で遊び始めて、興味深かったです。
この頃、補習校に通うことも考えたのですが、「土曜日に学校に行くのは、絶対イヤ!」と言うので、日本の教材を自宅ですることを約束して、補習校には通わないことしました。
日本語プレイグループにも行かなくなったので、家庭外で日本語を使う機会はとても減っていました。
7歳頃から、英語では長い小説も読むようになっていましたが、日本語では絵本を読むだけで、長い本は読みたがりませんでした。
日本の小学校(8歳)
日本語を使う機会が減っていた、ちょうどいいタイミングで、日本滞在が決まり、2年生から日本で小学校に通い、まもなく1年が経とうとしています。
最初の数ヶ月は「日本語がわからない」と泣くこともありましたが、徐々にわかる言葉も増えたのか、今は「英語も日本語も同じくらいわかる」そうです。
日本語は日本の小学生とほぼ同レベル
毎日の宿題のおかげもあって、漢字や音読も上手になってきました。
担任の先生からも、「特に問題はなくよくできています」と言われたので、家庭では学校の宿題以外何もしていません。
国語のテストに関しては、ほぼ90〜100点なので、理解できているんじゃないかと思います。ただ語彙に関しては、同年代の子よりは少ないと思います。
心配していた漢字も、「オーストラリアに戻っても漢字やりたい」と言うほど気に入ったようです。
算数の文章問題なども、つまづくかなと思ったのですが、今のところ大丈夫なようです。むしろ簡単な計算間違いなどしています。
絵本以外の日本語の本も読めるようになり、「ルルとララのシリーズ」「ヘレンケラーなどの伝記物」を最近は好んで読んでいます。
日本での英語の維持
英語に関しては、日本に引っ越したタイミングで家庭内を英語に切り替えました。
英語を忘れず維持できるように、ということで決めたのですが、正直、私が一番しんどい...
これまでずっと日本語で会話をしていたのに、英語にしたら混乱するんじゃないかと懸念していたのですが、英語の発語を促す意味ではいい選択だったと思っています。
ただ、「ママは日本語でお話しする方が優しい」と言い、「日本語でお話しして」と言ってくることもあります。
私の英語が下手くそすぎるのかとショックを受けていたのですが、「パパも日本語の方が優しいし、ぽぽちゃん(妹)も日本語の方が可愛い」と言っているので、英語の方がストレートな物言いなのが関係しているかもしれません。
実際、我が家では日本語の方がみんな優しい感じがします。言語って面白いですね。
読み書きに関しては、オーストラリアで購入した英語の教材を、毎日少しずつ進めています。
掛け算などは、オーストラリアでは12の段までYear 2で習うので、若干難しいようです。日本の学校で九九を始めた頃、頭の中では英語で計算していたようで、九九を覚えるのに苦労していました。でも今は、覚えた日本語九九で計算しているようです。恐るべし九九の力。
読書に関しては、英語の方がより難しいレベルの本を読んでいます。この数ヶ月は、「ハリーポッターシリーズ」 を読んでいます。
Year 2については、自宅学習のみだったのですが、Year 3からはチューターを雇うか模索中です。Year 5にオーストラリアに帰国予定。
読み聞かせが効果あり
これまでを振り返って、バイリンガル育児に一番効果があったのは、絵本の読み聞かせだったと思います。
大量の本を読み聞かせしたのは、どちらの言語にとってもプラスでした。
動画視聴のメリット
失敗したなと思うのは、もう少し「日本語の動画視聴を増やせば良かった」ということ。
英語でばかり観ていたので、今でも英語で観ていることが多く、将来的にオーストラリアに戻ることを考えると、日本語での動画視聴をメインにしていた方が良かった気がします。
よく観ていたのは、
2-3歳頃〜
- Maisy
- Play School
- Wiggle
4歳頃〜
- Peppa Pig
- Kangaroo Beach
- Ben and Holly's Little Kingdom
5-6歳頃〜
- Bluey
- Octonauts
- となりのトトロ などジブリ作品
- Netflixの「動物や自然シリーズ」
- Disney Movies
7歳〜現在
テレビより本に夢中、NetflixやDisney+で週末に映画をよく見ています。
8年間のまとめと今後
試行錯誤のバイリンガル育児。あってるのか、どうなのか、結果が出るのは10年後くらいになると思うし、今後がまた難しいなと思うのですが、今のところはいい感じで進めているのかなと思います。
また、言語に関しては、環境ももちろん、本人の言語能力も大きく関わっている感じが、次女(6歳)を見ていて思います。次女に関しては別記事でまとめようと思います。
私の目標は、小学6年生までは、日本語と英語の両方を頑張ってもらうこと。
その後は本人次第で、他に興味があれば、他のことに力を注いでもらってもいいし、「どちらも同じレベルでできるようにしたい」と言うようなら、協力しようと思っています。
これからが本当に難しくなってくると思いますが、わが家のバイリンガル育児8年間の振り返りでした。