りんごがふたつ

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イヤイヤ期の対応のヒント。モンテッソーリのマキシマムエフォート

魔の2歳児とも言われるイヤイヤ期ですが、実は2歳になる前、1歳半頃から自己主張が始まり、何にでも反発することが増えてきます。

 

そんなイヤイヤ期を乗り越えるちょっとしたヒントが、モンテッソーリのマキシマムエフォート(最大限の努力)に隠されているかもしれません。

モンテッソーリのマキシマムエフォート 

マリア・モンテッソーリは著書 [THE Absorbent Mind ]の中で、

子どもは、ただ歩くよりも、より遠くへより重いもの持って歩くのを好む

The child, instead of merely walking, likes to walk far and carry havy loads,

と述べ、

子どもが常に自分の限界に挑戦しようとすることを

Maximum Effort 「最大限の努力」

と名付けました。

幼児の行動に現れるマキシマムエフォート 

生後すぐから「手に物を掴む」「寝返りをする」「歩く」など、最大限の努力をしながら日々成長する子どもですが、1歳を過ぎて歩き始める頃から、顕著に行動に現れるようになります。

重たいものを持って歩く

幼児は重たい物をもって、歩くのが大好き。

 

見ているこちらは、足に落として怪我をしないか、ハラハラしてしまいますが、重たいものをもって歩くのは全身運動。腕、足、腰など全身の力を使いつつ、うまくバランスを取る練習をしています。

 

「危ないからダメだよ」とつい言ってしまいそうになりますが、まずは見守りましょう。本当に危険なときだけ、最小限の手助けをするようにすると、子どもの心も満たされます。

 

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「おもい、おもい」と言い、時には落としながら、どうやって持てば運べるか試している

物を投げる

1歳を過ぎたあたりから顕著になる「物を投げる」という行動。

 

投げてはいけないものまでなんでも投げるので、正直「ダメ!」と言わざるをえないことも多々あります。

 

家の中では投げてはいけないものが多いので、この欲求を満たすには外に連れ出すのが一番。河原で石を投げたり、ボール投げをして、「物を投げたい」という思いを叶えてあげるようにしています。  

 

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河原で重たい石を投げる

高いところから飛び降りる

ジャンプができるようになった幼児は飛び降りるのも大好き。最初は小さな段差からジャンプするだけですが、徐々に高いところから飛び降りるようになります。

 

ちょっと危なくない?と心配になってしまいますが、こんな時も安全を確保しつつ、子どもが限界にチャレンジする様子を見守りましょう。

 

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ベッドサイドテーブルからエアマットレスに飛び降りる

テーブルやソファによじ登る

1歳半を過ぎた頃からよく見られるのが、テーブルやソファによじ登るという行動。

 

まだ小さな頃は落ちて怪我をしないかハラハラしっぱなしでしたが、これも限界にチャレンジしてるからこその行動です。 

 

テーブルやソファに登るのを良しとするかどうかは、各家庭によって違うと思いますが、こんな行動が見られたら、よじ登るという運動ができる機会を積極的に作ってあげるといいでしょう。

椅子やステップを動かす

自分の見たいものを見るために、椅子やステップを持ってきて、カウンターの上やテーブルにおいてあるものを取ろうとします。

 

「こんな重いものまで動かすの!」とびっくりしてしまいますが、子どもに触ってほしくないものは別の場所に移動させ、出来るだけ「ダメ!」と言うことを減らします。

自分のことは自分で

服を着替える、車に乗る、靴を履く、手を洗う、歯を磨く、など日常のほぼ全ての行動に実は隠れている、マキシマムエフォート。

 

まだまだ上手にできないので、全てにおいて時間がかかりますが、子どもは最大限の努力をしている最中です。

 

時間がない時は「早くして!」と心の中で思いつつ、できるだけ本人の「自分で」という意思を尊重し、「できないから、ママやって」と本人から言ってくるまで、じっと待ちましょう。

イヤイヤ期対応のヒント

イヤイヤと思われる行動も、最大限の努力をしている最中だと思えば、対応も代わってくるものです。

子どもの限界を決めない

「これは高すぎる。」「これは重すぎる。」「これは難しすぎる。」と自分で子どもの限界を決めて、子どもがチャレンジする機会を奪わないようにしたいものです。

 

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飽きるほど簡単でもなく、諦めるほど難しすぎない、その子にとってちょうどいいレベルの挑戦を促すことで、子どもは成長する。

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よく観察し、待つ

これは、モンテッソーリ教育で一貫していることですが、とにかく子どもをよく見ること。

 

今、何を欲していて、何が嫌なのか、じっくりと観察することで、子どものイヤイヤの原因がわかってきます。

 

そして必要なのは、忍耐力。

 

子どもの力を信じて、本人が納得するまで待つこと。

 

イヤイヤしているときはある程度ほおって置くのも効果的です。

代替え案

わが家のぽぽ(2歳2ヶ月)はソファの背もたれに立ち、飛び降りるのが大好き。これも優しく見守りたいところですが、わが家では禁止事項です。

「ソファの背もたれに立ってジャンプしたら、ソファが痛むし、タイルに頭を打ったら大怪我するよ。代わりに階段の2〜3段目から飛び降りるようにしてごらん。」

と、代替え案を出すようにしています。 

最後に、 

2歳2ヶ月になり、言葉が増えてきたのもあり、癇癪を起こすことは少なくなった我が家のぽぽ。代わりに「じぶんでしゅる!」を毎日のように言っています。

 

「車に乗って、チャイルドシートに座る」という簡単な行動一つとっても、私がやれば5秒で済むのに、本人に任せると1分以上かかります。

 

つい「早くして!」と言ってしまいそうになりますが、ぐっと我慢。 

 

ふざけていつまでも座らないときは注意しますが、それ以外はできるだけ手を出さないようにしています。

 

「待つ」「最小限の手助けにする」というのは実は難しく、つい「やってあげようか?」と言ってしまうこともありますが、大抵は断られます。

 

それを無理やりこちらの都合で押し切ると、逆効果。時間はかかりますが、本人の気のすむまでやらせるのが一番です。

 

モンテッソーリのマキシマムエフォート を知り、対応を変えてから、ぽぽのイヤイヤがとても減ったので、もし、イヤイヤ期で困っている方の参考になれば幸いです。