りんごがふたつ

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知れば子育てが楽しくなる、モンテッソーリの敏感期

モンテッソーリ教育に興味のある人であれば一度は聞いたことがあるだろう「敏感期」。敏感期の種類や時期を知っておけば、不思議にも感じる子どもの行動の謎が溶けてきます。

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モンテッソーリの敏感期って何?

敏感期とは簡単にいうと、子どもが何かにハマる一定の時期のこと。

0歳から6歳の子どもに共通してみられるこの時期は、ある特定のスキルを身につけるのに、最も適した時期で、この敏感期にいる子どもは簡単にそのスキルを身につけることができます。

 

この時期を逃すと身につけることができない、というわけではなく、この時期に身につけるよりも努力が必要になってくると言われ、マリア・モンテッソーリは「敏感期を逃すことは最終バスに乗り過ごすようなものだ」と表現しています。

どんな敏感期があるの?

敏感期は様々な種類がありますが、その中でも代表と言われているものについてまとめてみました。

  • 運動の敏感期:0歳〜2.5歳・2.5歳〜4.5歳

  • 言語の敏感期:0歳〜6歳

  • 感覚の敏感期:2歳〜6歳

  • 小さなものへの敏感期:1歳〜3歳

  • 秩序の敏感期:1.5歳〜4歳

  • トイレトレーニングの敏感期:1歳〜3歳 

  • 礼儀と作法の敏感期:2歳〜6歳
  • 数字の敏感期:4歳〜5歳

運動の敏感期:0歳〜2.5歳/2.5歳〜4.5歳

Sensitive period for MOVEMENT

運動の敏感期は二つの時期に分けられます。

誕生〜2歳半

寝たきりだった赤ちゃんは、少しずつ自分の手を自分の意志で動かせるようになり、そのうち寝返り、おすわり、あんよができるようになります。

歩き始めると動きはより大きく大胆になり、高いところに登ったり、滑ったり、ぶら下がったりといった動きもできるようになります。

この敏感期にいる子どもは大人から見ると「危ない!」と思うような行動を多くします。でも、子どもにとっては、自分の手や足、身体全体を使って新しい動きを習得中なだけ。危険をできるだけ取り除いて、見守りたいものです。

まさにわが家の次女ぽぽ(2歳)はまさにこの時期で、「ソファーの背もたれに立つ」「テーブルの上に登る」「階段をジャンプしながらおりる」など、ヒヤヒヤする行動ばかり。

敏感期と分かっているけど、注意しないわけにはいかないこの葛藤。できるだけ怪我をしない範囲までは黙って見守りたいところですが、やっぱり注意してしまっています。

 

ただこの困った行動は「運動の敏感期が理由なんだ」と分かっただけでも、注意の仕方は変わるのも。代わりに同じような行動が、もう少し安全な方法でできるような工夫をするようになりました。

 

2.5歳〜4.5歳

2歳半からはそれぞれの動きがより洗練されていきます。

ハサミを使えるようになるのもこの頃。絵を描いたり、文字を書いたり、縫い物をしたり。指先の発達を促すお家遊びを沢山するといいでしょう。

また、公園に行って遊具で遊んだり、自然の中に出かけたり、鬼ごっこをしたり。身体を思いっきり使う機会を定期的につくるように意識しましょう。

言語の敏感期:0歳〜6歳

Sensitive period for LANGUAGES

言語の敏感期は赤ちゃんがお腹の中にいる時から始まると言われています。耳が聞こえるようになると始まる言語の敏感期。

最初は聞いているだけですが、生後数ヶ月が立つと「ばぶばぶ、あうあう」と一生懸命何かを言うようになります。いわゆる喃語の時期です。

 

そして、指差しの時期を経て、意味のある言葉を話すようになります。それは「パパ」だったり、「ママ」だったり、「ブーブー」だったり一語文から始まります。

 

言語の成長は子どもそれぞれ。どの時点で言葉が出てくるかはその子次第ですが、言語の敏感期にいる子どもは驚くほどの勢いで言語を習得しています。

この時期にたくさんの言葉をかけることはとても大事。絵本を読んであげたり、より具体的にお話をするように心がけるといいそうです。

例えば車を指差す子どもに、「車だよ。」というだけではなく、
「それは車だよ。青くて小さい車だね。」とより具体的に言葉かけをし、更に「向こうにあるのは白い車で、こっちには大きな赤い車もあるね。」などと話を膨らませると、子どもはたくさんの言葉を吸収していきます。

文字の敏感期:読み(3歳〜5.5歳)書き(3.5歳〜4.5歳)

Sensitive period for READING and WRITING

文字を読んだり書いたりすることに興味が湧く時期です。

わが家の4歳ひめは文字に興味津々。絵本を読むたびに、「なんて書いてあるの?それはどこに書いてあるの?なんて読むの?」と質問が飛びます。この時期を逃さずに英語と日本語を教えていきたいと思っています。 

感覚の敏感期:0歳〜5歳

Refinement of SENSES

五感が発達する時期です。映像などのバーチャルな体験でなく、実際に見て、触って、匂いを嗅いで、感覚を刺激する遊びを通して、 五感を刺激してあげましょう。

小さなものへの敏感期:1歳〜3歳

Sensitive period for SMALL OBJECT

幼児を子育て中の多くの方がおそらく経験していると思いますが、床に落ちている髪の毛を拾ったり、お散歩中に小石やアリに夢中になったり、この敏感期にいる子は小さなものに興味津々。

わが家の2歳ぽぽもお散歩中にお花を摘んだり、木の実を拾ったり、小さな虫を見つけてはジーと眺めたり、まさにこの敏感期の真っ只中です。

幼児が小さなものを持っていると口に入れないか冷や冷やしますが、子どもは小さな物の細部を観察し、世界を広げています。「早くお散歩行こう!」という一言を飲み込み、できるだけその瞬間を堪能させてあげましょう。

秩序の敏感期:1.5歳〜4歳

Sensitive period for ORDER

物の位置や順番、場所などにこだわりをもつのがこの秩序の敏感期です。いつもと違うルーティン、いつもと違う場所、いつもと違う順番にすると子どもの機嫌が悪くなるのは、この秩序を乱されるから。

 

まさに秩序の敏感期にいるわが家のぽぽは、私が違う椅子に座っていたら「ママ、こっち!」とダイニングチェアの私が座る場所をいつも指摘しています。

開いたままのドアや扉を閉めるのもこの敏感期が関係しています。風を通すのに開けているのに、バタンと閉められるので困ってしまいますが、「ドアや扉は閉める」という秩序を守ろうとしてるんですね。

”External order helps toddlers and young children develop internal mental order.” 外側の秩序を理解することで、子どもは心の中の秩序を育てる。

 

できるだけ日々のルーティンを守り、物は同じ場所に戻す、いつもと同じやり方でするように心がけましょう。

整理整頓をし、おもちゃの収納場所を一定にし、子どもが簡単に片付けれるようにすると、秩序の敏感期にいる子どもはとても上手に片付けてくれますよ。

トイレラーニングの敏感期:1歳〜3歳

TOILET LEARNING

自分の身体に興味がでてくるのが1歳頃、子どもが膀胱をコントロールする力がつき始めるのは1歳半頃と言われています。なんでも真似をしたい時期でもあるので、トイレ練習には最適です。子どもが自分で練習できるようにトイレの環境を整えてあげましょう。

礼儀と作法の敏感期:2歳〜6歳

GRACE and COURTESY

挨拶をする、公共の場や食事中のマナー、鼻をかむといったことを学ぶのに適した時期です。身近にいる大人がお手本になります。

数字の敏感期:4歳〜5歳

Sensitive period for NUMBERS

数字を数えること、物の大小、パターンに興味が湧く時期。カレンダーや時計を用意して、数字に触れる機会を作ったり、数字に興味が湧くようなおもちゃを用意してあげましょう。

 

子どもの強いこだわりに理由があることを知るだけで、子育てが少し楽しくなってきます。

モンテッソーリの敏感期を知って、お子さんをぜひ観察してみてくださいね。